水戸地方裁判所 昭和52年(わ)634号 判決 1978年4月04日
本店所在地
茨城県北茨城市磯原町上相田一二五番地の二
柳生商事株式会社
(右代表者代表取締役 柳生郁雄)
本店所在地
右同所
柳生運送有限会社
(右代表者代表取締役 柳生郁雄)
本籍
右同所七五三番地
住居
右同所一二五番地
会社役員
柳生郁雄
昭和七年三月二九日生
右の者らに対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官安達敏男出席のうえ審理して、次のとおり判決する。
主文
被告人柳生商事株式会社を罰金三、〇〇〇万円に、
被告人柳生運送有限会社を罰金四〇〇万円に、
被告人柳生郁雄を懲役一年六月に
各処する。
被告人柳生郁雄に対し、この裁判確定の日から三
年間右懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告会社柳生商事株式会社は、茨城県北茨城市磯原町上相田一二五番地の二に本店を置き、石炭及び土石の採取販売業を営むもの、被告会社柳生運送有限会社は、右同所に本店を置き、運送業を営むもの、被告人柳生郁雄は、右両被告会社の代表取締役として両会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人柳生郁雄は
第一 右被告会社柳生商事株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上金の一部を除外して簿外預金を設定するなどの方法で所得を秘匿し
一 昭和四八年一一月一日から昭和四九年一〇月三一日までの事業年度の所得金額が一億一、三八五万八、五九四円で、これに対する法人税額が四、四八二万三、二〇〇円であるのにかかわらず、昭和四九年一二月二七日、同県日立市若葉町二丁目一番八号所在の日立税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額が五七六万二、四五〇円で、これに対する法人税額が一六一万三、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、正規の法人税額四、四八二万三、二〇〇円と右申告税額との差額四、三二〇万九、九〇〇円をほ脱し
二 昭和四九年一一月一日から昭和五〇年一〇月三一日までの事業年度の所得金額が一億二、三一一万八、四六九円で、これに対する法人税額が四、八四〇万七、二〇〇円であるのにかかわらず、昭和五一年一月五日、前記日立税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額が三、一四〇万三、一四七円で、これに対する法人税額が一、一七二万一、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、正規の法人税額四、八四〇万七、二〇〇円と右申告税額との差額三、六六八万六、〇〇〇円をほ脱し
三 昭和五〇年一一月一日から昭和五一年一〇月三一日までの事業年度の所得金額が二億一、八三三万三、六二九円で、これに対する法人税額が八、六四九万三、二〇〇円であるのにかかわらず、昭和五一年一二月二七日、前記日立税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額が四、四七四万九、一七六円で、これに対する法人税額が一、七〇五万九、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、正規の法人税額八、六四九万三、二〇〇円と右申告税額との差額六、九四三万三、六〇〇円をほ脱し
第二 右被告会社柳生運送有限会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上金の一部を除外して簿外預金を設定するなどの方法で所得を秘匿し
一 昭和四九年四月一日から昭和五〇年三月三一日までの事業年度の所得金額が二、六五三万七、四七二円で、これに対する法人税額が九八九万四、八〇〇円であるのにかかわらず、昭和五〇年五月三一日、前記日立税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額が六二三万七、七七九円で、これに対する法人税額が一七七万四、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、正規の法人税額九八九万四、八〇〇円と右申告税額との差額八一二万円をほ脱し
二 昭和五〇年四月一日から昭和五一年三月三一までの事業年度の所得金額が三、六八三万一、六四二円で、これに対する法人税額が一、三八九万二、四〇〇円であるのにかかわらず、昭和五一年五月二八日、前記日立税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額が一、一五八万九、五九三円で、これに対する法人税額が三七九万五、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、正規の法人税額一、三八九万二、四〇〇円と右申告税額との差額一、〇〇九万六、八〇〇円をほ脱し
もつて、いずれも不正の行為により法人税を免れたものである。
(証拠の標目)
判示全部の事実を通じて
一 被告人の当公判廷での供述と検察官に対する各供述調書及び昭和五二年九月九日付、一四日付、同年一〇月七日付大蔵事務官に対する各質問てん末書並びに同年六月二四日付(一)答申書
一 菅原昭一、米津知子(二通)、田辺さつき(二通)、蛭田八千代、油井秋平、根本浩の検察官に対する各供述調書
一 大蔵事務官作成の
(1) 関東銀行磯原支店調査関係書類二綴
(2) 常陽銀行磯原支店調査関係書類
(3) 水戸信用金庫磯原支店調査関係書類
一 登記簿謄本
同第一の各事実につき
一 被告人の同年四月二二日付、一〇月六日付大蔵事務官に対する各質問てん末書及び同年四月二三日付、六月二三日付、二四日付(二)、七月五日付、二一日付、一〇月四日付、五日付、七日付各答申書
一 同年一二月七日付修正申告書(請求番号14)
一 大蔵事務官作成の
(1) 簿外資産簿外経費調査書
(2) 簿外在庫調査書
(3) たな卸資産(石炭)等確認書
(4) 仕入金額(原炭代、石炭代)調査書
(5) 見込時価等調査書
(6) 簿外運賃調査書
(7) 公害補償料の調査書
(8) 預金及び受取利息調査書
(9) 未納源泉税等調査書
(10) 重機使用料、山作業代の調査書
(11) 簿外売上金額の調査書
一 脱税額計算書三綴(請求番号83、84、85)
一 押収してある総勘定元帳三綴、売上帳三綴、原炭仕入帳三綴、火力製品台帳一冊、火力粉台帳二冊、得意先別運送明細帳一綴、検収結果計算書控一綴、法人税申告書及び法人税決議書綴一綴(昭和五三年押第二三号の一ないし一五)
同第二の各事実につき
一 被告人の同年一〇月一四日付大蔵事務官に対する質問てん末書及び同年七月四日付答申書
一 同年一二月七日付修正申告書(請求番号15)
一 大蔵事務官作成の
(1) 売上除外金額及び未収金調査書
(2) 運賃収入の除外金額調査書
(3) 車輌売却益等の調査書
(4) 簿外経費調査書
一 脱税計算書二綴(請求番号86、87)
一 押収してある法人税申告書及び法人税決議綴一綴、総勘定元帳二綴、売上帳六綴、運送費明細綴一綴(前同押号の一六ないし二五)
(法令の適用)
被告人柳生商事株式会社及び同柳生運送有限会社につき
それぞれ各法人税法一五九条、一六四条一項、刑法四五条前段、四八条二項
被告人柳生郁雄につき
各法人税法一五九条(いずれも懲役刑選択)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第一の三の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予 同法二五条一項
(裁判官 大関隆夫)
別紙(2)
修正損益計算書
柳生商事
自 昭和48年11月1日
至 昭和49年10月31日
<省略>
<省略>
別紙
修正損益計算書
柳生商事
自 昭和49年11月1日
至 昭和50年10月31日
<省略>
<省略>
別紙
修正損益計算書
柳生商事
自 昭和50年11月1日
至 昭和51年10月31日
<省略>
<省略>
別紙
修正損益計算書
柳生運送
自 昭和49年4月1日
至 昭和50年3月31日
<省略>
<省略>
別紙
修正損益計算書
柳生運送
自 昭和50年4月1日
至 昭和51年3月31日
<省略>
<省略>
別紙 12
柳生商事
<省略>
別紙 13
柳生商事
<省略>
別紙 14
柳生商事
<省略>
別紙 15
柳生運送
<省略>
別紙 16
柳生運送
<省略>